2018年1月5日
ミーコ、本当にごめん。 ミーコ(12月21日撮影) 2017年、暮れ。最初に、ルナが風邪を引いた。2日ほどの間、ルナがずいぶんおとなしいなと思っていたら、鼻風邪だった。近づくと鼻がプスプスいっているのに気づくが、ちょっと見ただけではわからない。くしゃみもあまりしなかったし、食欲もあった。 その後ルナの鼻の調子は良くなったが、今度はほかの3匹がくしゃみをしはじめた。 このとき、ルナがあまりにもあっさり治ったので、我々夫婦はほかの猫も同じように治るだろうと思ってしまった。 ただマーボについては、高齢だし、最近すっかり痩せてしまったし、あぶないだろうという気はした。 マーボとチャッピー(12月12日撮影) 具合が悪くなるといつも、マーボはトイレの手前の床でおしっこをしてしまう。今回はトイレから離れた床にもたびたびおしっこをしていて、飼い主はそれを拭いてまわった。マーボはもう腎臓も悪いのだろう。長くないかもしれないと思った。 私たちは年末に向けて、手持ちの仕事を早めに片付けようと、土日もPCに向かって仕事をしていた。日曜日の日中、マーボとチャッピーはくしゃみを連発して、具合が悪そうだった。ミーコはくしゃみを数回して、あとはスヤスヤ寝ていた。 私は、ミーコもルナと同じように、風邪を寝て治そうとしているのだろうと考えた。ルナとミーコは、子猫のころのワクチンのおかげで症状が軽いのかもしれない、とも思った。 日曜日の夕方、缶詰とパウチのエサを出すと、猫たちが集まってきた。チャッピーはパウチを食べた。マーボはほとんど食べなかった。ミーコは自分の分を食べた後、ほかの猫が残した分も食べた。 しかし数時間後、ミーコは食べたものの一部を吐いてしまった。私は、ミーコは体調が悪いのに食べすぎたから吐いたのだろう、と考えた。 月曜日の朝、ミーコは透明なネバネバしたものを2〜3回吐いた。マーボとチャッピーのくしゃみはおさまってきていた。しかしマーボは鼻水と涙が出て、具合が悪そうだった。何回かマーボの顔を拭いてやった。ミーコは寝ていた。ミーコが日中吐いたかどうか、覚えていない。吐いたとしても、ちょっとだったと思う。 月曜日、午後4時ごろ。このあとあんなことになるなんて思わなかった 月曜日の夕方、缶詰のエサを出した。チャッピーは食べた。マーボは食べなかった。そして、ミーコも食べなかった。 この時点なら、動物病院の受付時間に間に合っただろう。しかし私たちはそれに思い至らなかった。 今にして(ネットで調べたりして)思えば、ミーコの症状は、急性腎不全のそれだったかもしれない。ミーコはたぶん、おしっこをしていなかった。でも私は、猫風邪以外の可能性について検討しなかった。 その夜、ミーコは白い泡まじりのドロッとした液体を、何回か吐いた。よだれも出てきて、泡っぽいものといっしょに吐いた。10時をすぎてようやく、私たちはこれは緊急を要する事態であり、夜間の診察を受け付けている病院を探さなければならないのではないか、と考え始めた。 ネットで検索する。総合案内サイトのようなものが出てきたが、気が動転しているせいか、見てもなんだかよくわからない。タウンページを見た。所沢に夜間救急病院があるようだった。所沢は遠い。 ダメもとで、かかりつけの病院に電話してみた。留守電で、所沢のその病院が案内されていた。 遠いが行けない距離ではない。そこで私はこの病院に電話をし、猫の症状を伝え、これから連れていきますと言った。夫といっしょにあれこれ仕度をしてから、見ると、ミーコはさっきよりだいぶ落ち着いていた。そのまま寝ようとしているようにも見えた。 私たちは迷った。車での長距離の移動によって猫にかける負担とリスク。真夜中に、全く知らない病院に行って、全く知らない先生に猫を診てもらうことの不安。 結局私たちは、ミーコをこのままそっと寝かしておき、朝一でいつもの病院に連れていくことに決めて、所沢の病院にキャンセルを伝えた。 あまり眠れなかった。ミーコの呼吸音に聞き耳をたてていた。1時ごろ、猫ベッドで寝ているミーコを確認した。2時ごろ、夫が同じ場所で寝ているミーコを確認した。 明け方、まだ暗い時間、マーボが枕もとにやってきたので目が覚めた。ミーコの様子を見に行った。 ミーコの上半身が猫ベッドからはみ出ていた。ミーコは死んでいた。 すぐに夫を呼んだ。夫は動かなくなったミーコを見て号泣した。私は呆然としていた。自分が重大な判断ミスをしたのだと思った。 ミーコはまだ温かかった。何かの間違いではないかとも思った。 店が開く時間になって、夫がミーコのために花を買ってきた。 ミーコの出身である、猫の会の方に、ミーコの死を伝えた。午後、猫の会の方がミーコに会いに来てくれて、親切な言葉をかけてくれた。気持ちがだいぶほぐれた。 猫棚で眠るミーコ(9月) 甘えるミーコ(12月。夫のツイッターより) 甘えん坊だったミーコ。いつも、手を差し出すと、フガフガと言いながらしきりに自分の鼻をこすりつけてきた。ゴージャスな毛皮をまとい、そのくせどこかぶきっちょな感じで、何をするにも一生懸命だったミーコ。 ミーコ(10月) ミーコはまだ1歳と5ヶ月だった。 |