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ジャムはあいかわらずの猫嫌いぶり。「ウー！」「フー！」「ギャー！」と言って他猫をよせつけない。マーボとユズは警戒をおこたらないものの、ジャムの存在に慣れてきたようだ。かわるがわるジャムルームに入っては、たなの上から見下ろしているジャムをしり目に、ジャムの食べ残したエサを食べている。ジャムはジャムで、他猫がこわいくせにどこか一箇所で縮こまっているつもりはさらさらないらしく、部屋から部屋へと歩き回っている。 そんななので、ときおり猫どうしが鉢合わせ、ジャムがギャーッ！と叫んで一触即発の危機を迎えることになる。もっとも即発してもせいぜい、届かないネコパンチが双方から繰り出される程度だが。 あるとき、ジャムが猫タワーに乗っており、そこにマーボが近づいてきた。いつものように、さっそくうなり始めるジャム。 猫タワーのジャム マーボもいつものように「あうおーん」などと言い返していたが、このときのマーボは何を思ったか、突然身をひるがえし、タタターッと廊下を走って奥の部屋に逃げていった。「？」と見送るジャム。 というのも実は、マーボは前もって奥の部屋に、とてもすてきな待ち伏せ場所を見つけていたのである。そこで待ち伏せて、うかつなジャムが追いかけてきたら、飛びかかってやろうという作戦らしい。 丸まったパターマットの中で待ち伏せするマーボ … だが結局、誰もマーボを追いかけてきてはくれなかった。かわいそうなマーボ。また空回りしてしまった。マーボはユズにもしょっちゅうスカされているのだが（「ひたむきなマーボ」参照）、今日はジャムにも相手にしてもらえなかったわけだ。 ていうか、猫嫌いのジャムが追いかけてくるわけないじゃないか。マーボもわかってるはずなんだけど、もしかしたら、って思ったのかもな。 |
