猫だより

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2016年3月3日

■マーボ、発作を起こす

マーボがひきつけのような症状を示したのは、2月下旬のある夜のことだった。

マーボはその日の午後、トイレを2回失敗していた。そんなことは初めてだった。晩ごはんも食べず、元気のない様子で長座布団に横たわるマーボ。起き上がろうとして、起き上がれずによろけ、その場で「大」をコロコロと出してしまった。

そして横向きに倒れ、図のような状態になったのだ。

後日説明のために獣医さんに見せた図

前足がピーンとつっぱり、後ろ足は縮こまって下腹にくっついている。2回ほど、前足をバタバタと、もがくように動かした。

マーボをなでようとしたが、触ると体がいっそうこわばる感じがあったので、手を触れないようにして、小声で「マーボ、マーボ」と呼びかけた。マーボの前足はゆるんだかと思うと、再びピーンと硬直したりする。1時間近く、それを見ていただろうか。

マーボは少しずつ落ち着いてきた。呼びかけに反応はないものの、呼吸は安定している。

翌朝、マーボは丸くなって寝ていた。呼吸は落ち着いているが、形が何か不自然だ。こういう姿はこれまでにも見ていた。マーボが何日かおきにグッタリしていたときの丸くなり方が、やはり同じように妙な感じだったのだ。

してみると、マーボのこれまでの不調も、こういった発作がちょっとずつ起こってきたためだったのかもしれない。飼い主はてっきり、食欲がないのは消化器系とかその周辺の臓器の問題だと思っていたのだが …。

マーボはその後、いつものように回復した。夕方には飼い主が差し出すまぐろのお刺身を食べ、(比較的)高級な猫缶を食べて、翌日には普段の調子に戻った。

でもこれで終わらなかった。

一週間ほどたったある朝、見ると、マーボが長座布団の上でひきつけの形になっていた。

前回同様、なるべく触らないようにして見守る。マーボは半日がかりで回復した …… ように見えた。

リビングの窓辺で休むマーボ(&チャッピー)

夕方、マーボは寝室に歩いていって、自ら布団にもぐり込んだ。マーボの好きにさせておこうと思ったが、確認のため布団をめくってみたら、マーボがまたしても、ひきつけの形になっていた。

その夜はと一緒にずっとマーボを見ていた。マーボはときおりもぞもぞと動いて体勢を変えようとするのだけど、足がうまく動かない。丸くなり方が妙なのは、体のどこかがひきつっていて、その方向に曲がってしまうためだろうか。

翌朝もマーボは丸まって寝ていた。マーボの頭を、刺激しないようにそっとなでながら、涙ぐんで、マーボこのまま死んじゃうかも … と考えていた。

しかしマーボは今回も回復した。魚(いなだ)を見せても動かなかったマーボが、テリーヌの缶詰に反応したのだ。

というか、缶詰をあける音に反応した。キッチンで私が猫缶をパカッとあけると、マーボを見ていた夫が、

「おい、マーボ起き上がったぞ」

さらに、

「マーボ歩き出したぞ」

はい? と思っていると、キッチンカウンターの角を曲がってマーボがよたよたと姿を現した。そしてテリーヌを少し食べた。

同じ日の昼、猫庭で日なたぼっこをするマーボ

ステップの下に座布団を置いているのは、マーボがステップから落ちた場合に備えてのことだ。

実際この少し前、マーボは落ちたのだ。

朝、テリーヌを食べ終わったマーボは私のひざの上で2時間ほど寝ていた。その後下りて歩きたいという素振りを見せたので、マーボを降ろして、私は洗いものをしていた。

洗いものを片付け、「あれ? マーボどこ行った」と、マーボの歩いていった部屋を見に行くと、

「しまった、猫庭に通じる窓が開いてる」

マーボは猫ドアから外に出て、ステップの上段にいた。足どりがおぼつかないのでステップから落ちるかもしれない。あわてて(ただし脅かさないようにそっと)私が窓際に駆け寄るのと、マーボがステップをコロコロ転げ落ちるのが、ほぼ同時だった。

マーボはしかしとても上手に転げ落ちたので、幸い、どこも打ったりしなかったようだ。

午後、マーボはまぐろのお刺身を食べた。(買い物に行った夫:「いやー、まぐろ、高いのしか並んでなかったんだけど、マーボのためだと思って買ってきたんだよねー」)

リビングの窓辺でお昼寝

マーボは夜もお刺身と缶詰エサを食べ、翌日には普段の調子に戻った。

でも、これで終わりではないと思う。(つづく)


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