猫だより

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2022年8月27日

■みつまめケガをする

TNRした雄猫2匹、みつまめともみじ。ここずっとうちの庭付近に居座り、朝晩ガッツリとエサを食べていたが、あるとき2日ほど姿を見せなかった。

外男子みつまめ(奥)ともみじ(手前)、2021年8月撮影

3日目の朝。もみじが戻っていた。普段どおりに玄関前でミャギャーンと言ってエサを催促。みつまめは …? 見ると、庇の下にいた。寝そべったままエサを食べに来ようとしない。顔がまたグズグズなので、あー調子悪そう、これはカリカリ無理だわ、と思ってテリーヌを用意し、目の前に置いてやった。

みつまめは上半身を起こしてエサを食べ始めた。何かおかしい。

水の皿も置いてやった。みつまめは皿に近づいて水を飲んだが、どうやら前足だけしか動いていない。私がじろじろ見ているので警戒したのか、みつまめは下半身を引きずり、前足だけで這うように歩いて、すぐ後ろにある猫小屋の中に入ってしまった。

と一緒に考え込んだ。二人とも素人なもので、ケガ(骨折とか?)なのか、病気(血栓とか?)なのかもわからない。とにかく動物病院が開く時間を待つことにした。

9時になったので、予約の電話をしよう、その前にみつまめの様子を確認 …、と思ったら、猫小屋にいたはずのみつまめがいない。あの状態でそんな動けるのか? 探したら、7メートルほど離れた駐車場の車の下にいた。

手を伸ばしても届かない。あれこれやっていたら、みつまめはまた警戒したのか、車の反対側から這い出て、移動し始めた。完全に後ろ足を引きずっている格好だが、前足の力で、けっこう段差も乗り越えていく。しかしいつもだったら簡単に飛び越えられる隣家との間のフェンスが越えられず、とまどっているところで、夫がみつまめを確保。私は病院に予約の電話。その日の終了間際に枠をとってもらった。

荷物部屋(猫部屋)に入れられたみつまめ

夕刻、みつまめを連れて病院へ。体重6.5kg。先生が慎重に触診。オシッコも便もたまっていない、触診でわかるような骨折はない、神経の問題かもしれない、1日おいて、改めて詳しく診ましょう、とのこと。消炎鎮痛の注射1本。

「なんだ大きな骨折じゃないんじゃーん、よかったな」。私も夫も楽観的な気持ちで家に帰ってきた。だがしばらくして、先生の「神経」という言葉を思い出した。そういえば …、

以前、猫の会のほうで、こんなことがあった。事故か何かによるケガで下半身の動かない、飼い主不明の猫が、会に持ち込まれてしまったのだ。診察の結果、神経(脊髄)がやられていて、もう治らない。神経が駄目なので自力で排泄できない。そのままだと死ぬ。選択肢は、終わりの見えない介護(毎日3回程度の圧迫排尿が必要)、でなければ安楽死。

そんな状態の猫だが上半身は元気で、甘えるしごはんも食べたがる。猫の会の方は心情的にも立場的にも猫を見捨てることができず、結局、その猫がいよいよ天に召されるまで、他の案件も積み重なる中、何ヶ月もずっと介護を続けたのだった。

みつまめは、家に入れて半日経ったがまだ排泄をしていない。神経に問題があったらどうしよう!

どうしよう、と思っても、とりあえず見守るしかない。みつまめはそこそこ食欲はあるし、ケガはしていても落ち着いているようだ。時間が経つのを待った。

夜中に確認しに行くと、ちゃんと猫トイレの中に、オシッコがされていた。後ろ足を引きずりながらもトイレに入ったのだろうか。私はとても感心し、誰かさん(コムギ)とは大違いだと思った。これなら家猫として立派にやっていけるだろう。

トイレには「大」もひとかけあった。まずは一安心。つづく。


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